20世紀における人類の科学技術が生んだ合成物質〈プラスチック〉
万能の黒い水
その石油から「プラスチック」を発明した人類の生活は急激な変貌を遂げました。
耐久性、加工性に優れたこの「高機能高分子化合物質」がもたらした恩恵は、
計り知れないものがあります。
一方で、地球環境の観点から多くの問題が発生したことも事実です。
そして今、私達ひとりひとりが、
その「プラスチック」の取り扱いについて無関心ではいられないのです。
あなたが目にする殆どのモノが有限資源の石油から造られているという現実。
それはいったい何を意味するのでしょう。
21世紀における循環型社会の実現
地球温暖化をはじめとする多くの環境不安が渦巻く中、
瀕死の状態と化したこの地球を再生させるだけの力と、
何よりもそれを実行する意志が我々人間には本当にあるのでしょうか。
21世紀における循環型社会の実現
<リサイクリングという考え方>
製品製造の過程で発生する端材や製品自体の使命を終えたプラスチックの処理については
以前からいろいろな方法で行われています。
もちろん単にゴミとして燃やしたり埋め立てたりしているものもあります。
御存知のように焼却時にダイオキシンなどの有害物質を放出することも
だいいち埋め立てられたプラスチックはそう簡単に土には還りませんし、
本来、プラスチック・リサイクリングとは製品自体をリユース(再使用)することとは別に
原料としてのプラスチックを資源利用するという意味あいで使かわれます。
この観点から「リサイクリング」は以下のように大きく3つの形態に分類されています。
マテリアルリサイクリング(material recycling)
機械的手段で樹脂再生する方法です。
プラスチックは元の製品の原料に戻すことが出来る物質でもあります。
すべてが元の製品になるわけではなく、
別の製品に生まれ変わることの方がほとんどでしょうか。
回収・分別の手間や用途に応じた性能を付加するなど、
新品の原料よりも価格が高くなってしまうケースもありますね。
それでもこの方法は資源保護・環境保全の観点から最終処分場の削減にもつながり、
現実的なリサイクリングの意味をそのまま表した考え方と言えるでしょう。
サーマルリサイクリング(thermal recycling)
エネルギー・リサイクルと言われるように、
廃プラスチックを燃焼させて熱エネルギーを得る方法です。
石油を原料とするプラスチックはとても発熱量が高く、
固形燃料化されたものはカロリー単価で石炭や重油よりも経済性に優れています。
しかし有害ガスの問題や燃焼設備のコストなど、
経済性を含めたトータルシステムの確立が今後の課題となっています。
ケミカルリサイクリング(chemical recycling)
熱や触媒などの科学的手段で再資源化する方法です。
熱分解して元の油に戻す油化技術やガス化技術のほかに、
元の原料モノマーに戻す解重合する技術もあります。
少し難しそうですが、
専門的技術難易度よりもむしろ、
廃プラスチックの回収・選別や(どのリサイクルにも当てはまる)、
プラント設備の建設コストなどの環境整備のほうが当面の障害となっています。